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コラム・記事

身体に穴をあけるということ

Chot★Better (メディア)

5か月前

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全国の女子が高校卒業のタイミングですること。百貨店でドキドキしながら化粧品を買う、髪の毛を染める、そして、ピアスをあける。ピアスのあけ方はいくつかある。
たまに安全ピンであけたよ、なんて言うお姉さんもいるけれど、よい子はマネしないように。

代表的なものとして、病院やピアススタジオであける、あるいは友人や家族、自分であける、という手がある。

友人や家族、自分であけるには、専用のピアッサーかニードルを使うとよい。

ピアッサーは、ホッチキスのような器具に滅菌済みのファーストピアスがセットされている。耳たぶのあけたい箇所に印をつけて、ピアスの先端をそこにあてがって、あとはもう、一思いに、閉じる。

中途半端にためらってしまうと、耳たぶの途中までしか刺さらないから、ここはもう、思い切って。

「自分であけるの痛そうだからこわいな」と思っているそこの女子。そんなに心配する必要は無い。

ピアッサーであけるのは個人差はあるにしても簡単だ。必要なのは一瞬の勇気だけだし、コンマ数秒で耳たぶにピアスは貫通するわけだから、それこそ予防注射みたいなものだ。

バチン!という刹那の痛みに耐えられれば、もう苦しみはどこにもない。

問題はニードルだ。これは本当に、本当に覚悟が要る。
ピアッサーは一瞬の勇気で押しさえすればあとはバネがなんとかしてくれるけどニードルはそうはいかない。

なにせ中が空洞になっただけの針なのだ。
ただ、空洞なぶん、皮膚や脂肪をくり抜いてくれるから、ピアッサーであけるよりも穴がきれいだ。

あけた後、穴が安定するまでの期間を考えると、傷口がきれいだから安定も早いし、膿みにくいというメリットがある。

だがしかし、痛い。とにかく痛い。

冷やすと皮膚が固くなるからよくない、とも聞くけれど、ともかく感覚を麻痺させたいという一心で保冷剤を耳に押し当てる。感覚、なくなれ。

耳がジンジンとしびれてきたら、保冷剤を外して消毒液をつける。このプロセスは大事だ。
雑菌が入ると膿んでしまうから、あける箇所、手、ニードルの消毒はくれぐれも忘れないように。

消毒を終えると、消しゴムかなにかを耳の後ろに押し当てて耳を固定する。そうしないと皮膚が針の先に引っ張られて散々な目に遭う。

覚悟を決めたらいったん、深呼吸。ニードルの先端を耳たぶに当て、そして垂直に、刺す。

この道のりが果てしなく長い。耳はただの一枚の皮ではなくて、ちゃんとその中には血管があって、軟骨があって、皮下組織があるのだということを思い知らされる。

指先に伝わる抵抗。嗚呼、私の身体の一部が、裂けていく。

そして、それらすべてに追随する激痛。刺した瞬間から始まる、ズキズキと響く、鋭く重い鈍痛。普段痛みを感じることのないはずの場所を貫く痛み。

筆者は友人にあけてもらっているとき、この痛みを紛らわすために必死の形相で阪神タイガースの応援歌を歌い続けていた。でも紛れなかった。微塵も。輝く我が名ぞ、阪神タイガース。

そこまでの思いをしてまで、病院であける手間とそこで払う数千円を削りたいかは個人の裁量に任せるとして、ピアスをあけない派からはこんな声が聞こえてくるだろう。

「イヤリングがあるのになんでわざわざあけるの?」と。

これに対して、現実的な反論だってできる。

イヤリングは耳を挟むから結果としてピアスの方が痛くないし、多くのアクセサリーショップではまだまだピアスの方が種類豊富だし、イヤリングと違って大ぶりの重いものをつけてもうっかり落ちてしまうことはないし。

現状耳たぶと軟骨に計7個の穴をあけている筆者が考える、それにとどまらないピアスの意味にも耳を傾けてほしい。

ピアスをあけている、あるいはあけようと思っている人は、こんなことを言われたことがあるのではないだろうか。

「親からもらった身体に傷をつけるなんて」と。

筆者もそう言われたこともあるし、勝手にあけた7個のピアスを、親にすべて捨てさせられたこともある。

だけど、それがなんなのだ。
確かに身体は親からもらい受けたものだけど、心は、嗜好は、すべてわたし自身のものである。

帰る時間から格好から、親に縛られていた思春期はもう、終わりなのだ。

自分の身体を直接飾り付ける喜び、というものがある。決して理想の容姿ではない自分、決して華やかな見た目ではない自分、そんな自分の身体に、キラキラした宝石やパールを埋め込める。
無機質な装飾で体を貫ける悦びよ。

そしてふっとこんなことを思ったりする。
ピアスって、ささやかな自慰なのでは?

自分の身体になかったものをこじあけて、これまで見えなかったものを引き出すという点では。
身体の奥に眠っている可能性を引きずり出して、さらけ出すという点では。
これまで自分になかったものを見つけて、新たな悦びを得るという点では。
親にもらったまっさらな身体に傷をつけて、無垢な少女から卒業するという点では。

自分の身体を痛みに捧げて、未知の美しさと強さを刻む。
それは、「大人」へと一歩を踏み出す、少女の純潔との決別という点では、自慰となんら変わらないのでは?

人間の身体のきわどいもの、痛々しさの縁にあるものはたいてい美しい。裸だって、涙だって、傷跡だって、粘膜だって。
弱々しいもの、庇護したくなるものは、たいてい美しい。毒薬は、たいてい甘い。

古くから、ピアスには意味があると言われている。

女性の右耳のピアスは、優しさと成人女性の証。男性の左耳ピアスは、勇気と誇りの象徴。
国によってはピアスをあけることで運気が舞い込むと考えているところも、幸運の象徴だと考えているところもある。

また、開ける場所と個数によって、ヘテロセクシャルか、バイセクシャルか、ゲイかレズビアンか、性的指向を示すとも考えられている。

これも、納得がいかないだろうか。穴を開けるということはさらけ出す部分が増えること、痛みを伴って身体を貫くということ。そこには、自身のセクシュアルな理想だって込められていてもおかしくはない。

いずれにせよ、痛みを内包した行為には、そして、傷跡の残る行為には、それ相応の報酬が伴う。強さとか、勇気とか。それによって得るものは、きっと数百円で買えるアクセサリーの価値だけではない。

痛みと秘密を16ゲージの小さな穴に閉じ込めて、不格好な体にひとつ武器を備える。それがピアスなのだ。

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